リフォーム工事でご縁を頂きました、各務原市にお住まいの五嶋忠男さんをご紹介します。
五嶋さんが弓道と出会ったのは高校生の時のお話。
『 初めはバレー部に入ろうと思ったんです』と笑います。友人と見にいったバレー部のメンバーは5人。
これでは試合も出来ないので、別の部を探そうと。。
なんとなく軽い気持ちで入ったのが弓道部でした。
当時、国体の開催を控えていた岐阜県は、
様々な競技の強化を図っていました。
入部した弓道部も、岐阜国体の開催が近づく事により変わっていきます。
国体対策として先生(コーチ)がおこしになり、新しく弓道場も設備されました。
環境変化と共に高校生・五嶋忠男も成長します。
インターハイに出場、国体強化選手にも選ばれました。
順調に実力をつけていった五嶋さんですが、大きな壁にぶつかります。
『早気(はやけ)』です。
早気とは、弓道の数ある病の中で最も深刻な病とされています。
弓道には“射法八節”といい弓を射る一連の動作を
八つの段階に分けた型があります。
その中に..
弓をいっぱいに引いた状態のまま矢を放つタイミングをはかる“会”という
段階があるのですが,
早気というのは,この会を十分に持てず,早く矢を放してしまう症状の事を
いいます。
結局、この早気を克服する事なく、高校生活を終えた五嶋さん。
不完全燃焼のまま、弓道から遠ざかる事となりました。
やがて青年へと成長し26歳で結婚。
各務原市に家を構えた五嶋さん。
自宅のすぐ裏に弓道場がある事に気がついていました。
毎日聞こえてくる弓の音。
門を叩いてみたい気持ちを持ちながらも。。
なんとなく敷居が高く感じ、踏み出せないまま、年月を重ねました。
そんなある日
市の広報紙で見つけたのが“スポーツ教室10日間”の文字です。
そこには、なんと弓道があったのです。
しかも場所は自宅の裏。
『初心者でもOK』の言葉に誘われ、
躊躇する事なく申し込んだ五嶋さんは、再び弓の道へと入っていきました。
年齢にして61歳。
若き日にやり残したものを取り戻す為の第一歩です。
はじめてみれば、それまでの心残りが嘘のよう。。
早気はすぐに克服しました。
素晴らしい先生方との出会いもあり、実力をのばします。
2011年、熊本で開催された“ねんりんピック”弓道交流大会に出場、
岐阜県は全国3位の成績を収めます。
道場の大会や県大会でも活躍する五嶋さん。
土岐市にある久尻神社で行われた奉納射会では
28メートル先にある、2寸5分(約75ミリ)の金的を射ぬき儀礼を受けました。
弓を引く事
『それは楽しいのではなく、心地いいんです。』
その場所、その空間に居る事が心地いいと、にっこり笑います。
各務原市弓道場へほぼ毎日通い、この先も『身体が動く限り続けたい』と語る五嶋さんは..
歌手・坂本冬実さんの“凜として”がお気に入り^^
“凜”という言葉が良く似合う、笑顔の優しい日本男子です。