耐震診断・劣化診断
東日本大震災をうけて(平成23年3月27日・追記)
平成23年3月11日・東北地方太平洋沖地震の犠牲となられた方へお悔みを申し上げるとともに
被災された方、負傷された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。
また、被災地の救援・復興活動にご尽力されている多くの関係者の皆様へ敬意を表し
心より応援いたします。
岐阜県民として 耐震補強について考える
あまり考えたくないお話ですが、地震の活発期に入った日本列島では、いつどこで巨大地震が起こっても
不思議でない状況と言われています。
世界にも類をみない地震大国「日本」において。。
近い将来起こると想定される、
東海・東南海・南海・都市直下型等々の地震に備え、更なる「地震対策」を行うことが重要となります。
私達が暮らしている地域、岐阜県においてもその被害が心配されいるのは
皆さんご承知の事と思います。
幸いにも、津波の心配のない地域・岐阜県でありますので。。
私達が考えるべき最優先の「地震対策」は、やはり【自宅の耐震化】であります。
「地震対策」とは、「地震にあらかじめ備え、被害を減らす」ということ。すなわち「減災」であります。
減災の手段にも色々あり、飲料水や非常食の備蓄もその一つですが、
阪神・淡路大震災では、死者の約8割が建物の倒壊による圧死であった事を考えると、
地震対策の重要な要素は、建物や構造物を壊れにくくすることにあります。
これらの対策として、既築木造住宅の「耐震診断」「耐震補強」が急がれています。
中でも耐震設計基準が導入される昭和56年以前に建てられた木造住宅については、
耐震補強対策の実施が急務となっています。
一家団欒の場所である我が家に命を奪われてしまうと言う現実
阪神淡路大震災直後、私は現地に入りました。
震災地で、実際に目にした悲惨な光景が今でも頭を離れません。
これを繰り返さない事は、我々建築業に携わる者の使命なのではないでしょうか。
震災による被害そのものを減らすことが出来る住宅の耐震化。
この重要性・緊急性を うったえる事が出来、そして対策を講じる事が出来るのは、
私達、住宅リフォームのエキスパートだけであると考えています。
既存の住宅をリフォームするならば、その結果は、
『暮らしやすくなってあたりまえ』
『見栄えが良くなってあたりまえ』
『使い勝手が良くなってあたりまえ』
そしてもう一つ
『強くなってあたりまえ』であると考えます。
今、我々住宅 リフォームに関わる人間の倫理観が問われています。
そのお宅にとって必要である事を明確にし、より快適でより強い住宅 造りを実現し続けるべく
絶対の倫理観を持ち、使命を果たしていきたい と考えています。
木造住宅における構造強度のポイント
倒壊しやすい家とは?
過去の地震災害から、次の事が木造住宅の主な倒壊原因として考えられています。
1 壁量の不足
2 壁のバランスが悪い
3 接合金物が使われていない
4 木材の腐朽や蟻害
1 壁量が不足している
昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建物については、新耐震基準で建てられた建物に比べ、耐力壁と呼ばれる
ものが少ない。
地震災害の教訓を踏まえ、建築基準法改正の度に壁量の規定が増えています。
《1981年以前に基準を満たして建築された住宅でも、現行基準(新耐震基準)に当てはめると、
壁量が大きく不足する結果となります。》
2 壁の配置バランスが悪い
偏った耐力壁の配置により、建物の重さの中心(重心)と、建物の強さの中心(剛心)のバランスが悪く
地震時に建物がねじれ易くなる。
重心と剛心が近ければ近いほど地震に対して強い建物となり、離れていればいるほど地震に対して
弱い建物となります。
3 接合金物が使われていない
木造の継手及び仕口の接合方法について従来の建築基準法には、「釘その他の金物を使用」とだけ明記されており接合方法については具体的使用規定が示されていなかったが、
平成12年、建設省告示1460号により木造の継手及び仕口の接合方法が具体的に示されました。
1.筋交いのサイズによって、筋交いを止める金物を指定された。
2.柱の位置、耐力壁の強さで柱仕口を止める接合金物を指定され、
強い壁には強い金物を使用する事が規定された。
4 木材の腐朽や蟻害がある
木材の腐朽や蟻害が原因により、建物の構造耐力上重要な箇所が被害を受け、
地震時、建物の倒壊原因の一つとなります
耐震診断書なしには補強工事はありえません
まずは自宅がどのレベルの耐震性能があるかを、知るところからはじめましょう。
現状を知る! ということが第一歩です。
KIRAKUでは、診断を無料にて実施しております。
有資格者が診断を行い、
基礎や地盤の状況、建物の形状及 び壁の量や配置状況。さらに、老朽度を診断し総合的に耐震強度を判定、
耐震診断結果報告書を作成致します。
診断の流れ
< STEP1 耐震診断は屋外の調査から始まります >
周辺の地盤の状況を確認したのち、
基礎と土台がずれていないか
外壁のクラックがないか
棟線が波打っていないか
塀が傾いていないか
換気口に障害物がないか
基礎圧縮強度はどれだけあるか
基礎内部の鉄筋の有無などの調査を行います。
< STEP2 屋内調査を行います >
お家の方へ何点かのご質問をさせて頂きます。
設計図書・確認済書など
建物に関する書類を拝見します。
お家の中を御一緒に歩いて頂きます。
床の傾きはないか、天井にしみ・垂れはないか
壁に傾斜・ふくれはないか
内壁の仕上げ材は何が使用してあるか
などを確認し、図面を作成します。
< STEP3 屋根裏を調査します >
屋根裏へ上がります。
接合金物の緩みはないか
筋交い端部接合方法はなにか
設計図書通り筋交いがあるか
ひねり金物が使用してあるか
羽子板ボルトが使用してあるか
などを調査します
< STEP4 床下調査を行います >
床下へもぐります。
キッチン・トイレ・浴室などの漏水はないか
土台火打ちはあるか
蟻道はないか、腐朽菌(カビ)の発生はないか
水溜りはないか、基礎裏面にクラック(ひび割れはないか)
床下の湿度はどうか、床下の木材がどれだけ水分を含んでいるか
束・束石の状態はどうか、地割れはないかなどを調査します。
木造住宅の「耐震診断」「耐震補強」については、2004年7月に改訂された
国土交通省監修「木造住宅の耐震診断と補強方法」を活用しています。
補強工事については家族で考えて
診断終了後1~2週間後に結果のご報告となります。壁量・偏心率の計算など時間を要しますので、
その場での判断は出来ません。
なんらかの補強工事が必要である場合、補強の必要性については、明確なご説明をいたしますが
工事をするか否かについては、現状をしっかりと把握し、診断した建物の将来の使い方などを踏まえて
ご家族でよく話し合って決定してください。
大切なご自宅の事。家族会議を実施して下さい。
耐震補強をご希望のときは
完全な家にする必要はありません。
いざという時、自宅が少々傾いてでも、一階部分が押しつぶされることの無い様な
必要最低限の補強プランを作成し、お見積もりさせていただきます。
家を守るリフォーム業者として
2000年6月より施行された改正建築基準法により、木造2階建て以下の建物にも「壁の配置は偏心率30%以内」
「壁倍率によっては接合金物の使用義務付け」など、様々な耐震要素が組み込まれました。
それにより、これまでの基準では耐震基準を満たしていた建物を含め、約7割の木造住宅が現在の建築基準法に
適合しない「既存不適格住宅」と診断されました。
KIRAKUとしては、今後増えてくるリフォームの需要に耐震補強を組み合わせ、
既存不適格住宅を1件でも減らすことにより、尊い命を守ることが使命であると考えています。